糖尿病内科
糖尿病内科
糖尿病とは、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなることにより様々な臓器に障害をきたす病気です。血糖値が上がる原因としては、膵臓から分泌されるインスリンという血糖値を下げるホルモンの分泌が減ったり、その働きが悪くなったりすることです。
1型糖尿病はインスリンを分泌する膵臓の細胞に対する自己免疫によって細胞が破壊され、インスリンの分泌量が極端に少なくなる疾患です。生涯のインスリンの調整が必要になります。
2型糖尿病は、はじめは無症状で健康診断や血液検査で異常が認められるのみですが、進行すると血管がダメージを受け、神経障害、網膜症、腎症、心筋梗塞、脳梗塞、四肢末端の壊疽など様々な合併症を引きおこします。神経障害により痛みを感じにくくなり、特に、足の趾の感染症や外傷に気づかず放置して、足を切断しなければならなくなるような状態に至ることもあります。
糖尿病の予防や進行を遅らせるために糖質を抑えた食事、運動などの生活習慣を見直しと適切な糖尿病の治療が必要になります。
血糖値は食事の前後や時間帯などによって大きく変動します。そこで安定した血糖値の状態を表す指標として、現在、広く使われているのがHbA1cです。過去1~2か月の平均血糖値を反映し、糖尿病の合併症予防のための血糖コントロールの管理に有効とされています。
①〜③のそれぞれを血糖値の糖尿病型、④をHbA1cの糖尿病型とよびます。1回の検査で血糖値、HbA1cが同時に糖尿病型であれば、糖尿病と診断します。血糖値が糖尿病型であった場合、別の日に行った検査で血糖値またはHbA1cが糖尿病型であれば、糖尿病と診断します。
また、血糖値が糖尿病型で、典型的症状(口喝、多飲、多尿、体重減少)または糖尿病性網膜症がある場合も糖尿病と診断します。
当院では血糖測定のみでなく、当日に結果のでるHbA1Cの測定が可能です。血液検査を行ってから5分でHbA1Cの結果をお伝えすることが可能で、結果により患者様にあった治療を提案いたします。
糖尿病では高血糖状態が慢性的に続くことにより、血管が傷つけられます。特に、細い血管(毛細血管)は影響を受けやすく、毛細血管が集中する網膜、腎臓、神経に障害が現れます。これが三大合併症(細小血管障害)といわれる糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害です。
これらの合併症は糖尿病と診断されたときから進行し、糖尿病のコントロールが不良であれば5~10年くらいで出現すると考えられています。また、高血糖の状態は毛細血管だけではなく、太い血管にも影響を与え、大血管障害と呼ばれる脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる重大な病気を引きおこします。
高血糖の状態を放置しておくと、失明、透析、手足の壊疽(えそ)などを引きおこす可能性もあります。合併症の発症を予防するためには、年齢に応じた適切な糖尿病治療を行う必要があります。
初期から自覚症状なく進行します。網膜の毛細血管が傷つき視力低下や出血をおこし、最終的に失明に至ることもあります。糖尿病網膜症は日本人の失明原因の第2位です。
糖尿病と診断されたら、自覚症状がなくても定期的に眼底検査を受け、良好な血糖コントロールを継続的に行っていくことが大切です。
腎臓には糸球体という毛細血管のかたまりがあり、血液をろ過しています。高血糖状態が持続すると糸球体が傷つき、アルブミンというたんぱくが尿中に漏れ出てきます。
尿中にアルブミンが漏れ出ている状態は、単に腎臓が悪くなっているというだけではなく、全身の血管が傷ついていることを示しており、脳梗塞や心筋梗塞といった血管疾患を発症リスクが高まっていることを示唆しています。初期には、尿中アルブミンは、一般の尿検査では検出することができず、尿中アルブミンを測定してはじめて検出されます。
この段階で糖尿病の治療をしっかりすることにより、尿中のアルブミン量は改善させることができます。進行すると一般の検査で尿たんぱく陽性になってしまいます。この段階では、頑張って血糖コントロールを良くしても腎臓の働きをよくすることが難しくなります。最終的には腎不全となり、人工透析が必要な状態になります。日本の人工透析の原因は、糖尿病腎症が最も多く、現在も増加し続けています。手遅れにならないよう、早めに血糖コントロールを改善し、定期的な尿検査を行っていくことが大切です。
糖尿病は末梢神経にもダメージを与えます。症状としては、手足がしびれたり、痛みの感覚が鈍くなったりします(けがや火傷の痛みに気づかないなど)。足のちょっとした傷や水虫が原因となって足が化膿し、蜂窩織炎という重症の感染症をおこします。また、足の血流が途絶えて趾(足のゆび)の組織が死んだ状態である壊疽になりやすくなります。
蜂窩織炎や壊疽は、ひどい場合には足の切断を余儀なくされます。また、自律神経障害のため、起立性低血圧や男性ではインポテンス(勃起障害)となります。心筋梗塞を発症しても痛みを感じないため、めまいや吐き気といった心筋梗塞とは関係なさそうな症状を呈するため、発見が遅れて命にかかわることがあります。
脳梗塞、心筋梗塞、脳卒中、皮膚病、感染症、閉塞性動脈硬化症、歯周病なども合併症として挙げられます。
日本高血圧学会では上の血圧である収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧)が140mmHg以上、または下の血圧である拡張期血圧(拡張したときの血圧)が90mmHg以上を高血圧としています。
糖尿病のない方では、家庭血圧を135未満/85未満になるようにコントロールしますが、糖尿病の患者様では、125未満/75未満となるようにコントロールする必要があります。
糖尿病に加えて血圧が高い状態は血管に負担をかけ、脳梗塞や心筋梗塞といった血管疾患の発症リスクを高めてしまうため、目標とする基準値が低めに設定されています。また、糖尿病のない高血圧症の患者様では、生活習慣の改善を第一に行い、血圧低下がみられない場合に薬物療法を行いますが、糖尿病の患者様では、早速、薬物療法を開始します。
脂質異常症も動脈硬化を招き、血管疾患の原因となりますが、糖尿病の患者様では、そのリスクがさらに上がります。
心筋梗塞や狭心症(冠動脈疾患)のない糖尿病の患者様では、LDLコレステロールは120mg/dL未満、中性脂肪は150mg/dL未満に抑え、HDLコレステロールは40mg/dL以上を目標にします。
冠動脈疾患のある患者様では、さらに、目標値を引き下げで厳しくします。
糖尿病の治療では、過去1〜2か月の血糖の平均を示すHbA1cが指標になります。当院ではこの測定を院内で行っており、採血からおよそ5分で結果をお伝えできます。
検査を受けたその日に数値を確認し、そのまま今後の方針までご相談いただけます。前回からの変化を見ながら食事や運動の工夫を考えたり、お薬の内容を見直したりといった判断を、後日ではなくその場で進められます。通院のたびに結果が積み重なっていくため、ご自身の状態の変化も実感しやすくなります。
院長は、佐賀大学医学部附属病院の肝臓・糖代謝内分泌科(糖尿病科)で診療にあたった経歴があり、糖尿病を中心とした診療に携わってまいりました。
糖尿病で本当に問題になるのは、血糖値そのものよりも、高い状態が続くことで全身に起こる変化です。腎臓、神経、目、そして太い血管への影響は、いずれも自覚症状が出ないうちから静かに進みます。
当院では血液検査に加えて尿検査を行い、腎臓への影響を確認しております。足の感覚やしびれ、傷の有無についても、診察のなかで確認いたします。目の状態については眼底検査が必要となりますので、連携する眼科をご紹介しております。
血糖の数値が落ち着いている方でも、これらの確認を定期的に続けていくことが大切だと考えております。
1回の検査だけで糖尿病と確定するとは限りません。血糖値は食事の前後や時間帯によって大きく変動するため、HbA1cと組み合わせて判断したり、別の日に再度検査を行ったりして確認していきます。
また、糖尿病と診断される手前の「境界型」と呼ばれる段階もあります。この段階で気づくことができれば、食事や運動の見直しで進行を抑えられる可能性が高くなります。健診で指摘を受けたことは、むしろ早く手を打てる機会と考えていただければと思います。
HbA1cは、過去1〜2か月の血糖の平均的な状態を示す数値です。検査当日の食事に左右されにくいため、日々の血糖コントロールがうまくいっているかを見る指標として広く使われています。
当院ではHbA1cを院内で測定しており、採血からおよそ5分で結果をお伝えできます。その場で数値を見ながら、今後の方針までご相談いただけます。
2型糖尿病は、初期の段階ではほとんど症状が出ません。のどの渇きや尿の回数の増加、体重の減少といった症状が現れる頃には、すでに血糖の高い状態がかなり続いていることが多くなります。
合併症を防ぐうえで意味を持つのは、症状のない時期からの管理です。「今つらくないから大丈夫」ではなく、「つらくならないために今から整える」という考え方でお手伝いさせていただきます。
いいえ、そうとは限りません。2型糖尿病の場合、まずは食事と運動の見直しから始め、必要に応じて飲み薬を用います。注射による治療は、これらで血糖のコントロールが十分でない場合や、状態によって早めに必要と判断される場合に検討します。
注射に不安をお持ちの方も多くいらっしゃいます。どのような場合に必要になるのか、始めるとどうなるのかを、その都度ご説明しながら進めてまいります。
腎臓への影響は、血液検査と尿検査で確認いたします。神経の状態については、足の感覚やしびれ、傷の有無を診察のなかで確認します。
目については眼底検査が必要となりますので、連携する眼科をご紹介しております。糖尿病網膜症は初期に自覚症状がなく進行するため、血糖値が落ち着いている方でも定期的な受診をおすすめしております。
糖尿病による神経の障害で、手足のしびれや感覚の鈍さが起こることがあります。しびれ自体もつらい症状ですが、より注意が必要なのは、痛みを感じにくくなることで足の傷や水虫、やけどに気づかないまま悪化してしまう点です。
診察の際には足の状態も確認いたします。ご自宅でも、入浴時などに足の裏や指の間を見る習慣をつけていただけると安心です。気になる症状があれば、そのままにせずお知らせください。
血縁の方に糖尿病の方がいらっしゃる場合、体質的に血糖が上がりやすい傾向を受け継いでいることがあります。加えて、ご家族は食事の傾向や生活のリズムも似通いやすいため、二重の意味で気にかけていただく価値があります。
健診の血液検査で血糖値とHbA1cを確認できます。当院はご家族でまとめて受診いただけますので、気になる方がいらっしゃれば一緒にご相談ください。
はい、必要です。血糖、血圧、コレステロールはいずれも血管という同じ場所に影響を与えるため、どれかひとつだけを整えても、血管を守るという目的には届きにくくなります。
当院では糖尿病の診療のなかで、血圧の測定や脂質の項目も含めて確認し、全体を見ながら方針を組み立ててまいります。それぞれの目標となる数値は、年齢や合併症の有無によって考え方が変わりますので、診察の際にご説明いたします。
妊娠中の血糖については、通常とは異なる基準で評価します。妊娠をきっかけに血糖が上がる「妊娠糖尿病」は、お母様とお子様の双方に影響しうるため、早い段階で把握しておくことが大切です。
また、妊娠を希望されている段階で血糖の管理を整えておくことにも意味があります。妊娠中・妊娠を計画中の方については、産科をはじめとする専門の医療機関と連携しながら進めてまいりますので、まずはご相談ください。
2型糖尿病では、体重が減ることで血糖のコントロールが改善することがよくあります。大幅な減量でなくとも、数キログラムの変化で数値が動く方もいらっしゃいます。
その結果、お薬の量や種類を見直せることもあります。ただし、数値が良くなったからといって自己判断でお薬をやめてしまうと、気づかないうちに元の状態へ戻ってしまうことがあります。検査結果を見ながら、一緒に調整していきましょう。
最終監修日:2026年9月4日

ながえ内科クリニック
院長 永江 航
得意な診療・専門領域
所属学会
監修者紹介
2009年に佐賀大学医学部を卒業し、佐賀県医療センター好生館で初期研修を修了。佐賀大学医学部附属病院の総合診療部、肝臓・糖代謝内分泌科(糖尿病科)、リハビリテーション科、富士大和温泉病院の総合内科、訪問診療の専門クリニックなどを経て、2016年よりながえ内科クリニックで診療にあたっています。
診療で大切にしていること
診療科を限定せずに患者様を診る経験を積んだうえで、糖尿病をはじめとする生活習慣病の管理と、通院が難しくなった方への在宅医療の双方に携わってきました。「十分な問診を行い、必要に応じて適切な検査を行うことで、しっかりと原因疾患を突き止め、患者様の困っている症状を改善できる医者であること」を診療の姿勢としています。
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