コレステロール(脂質異常症)
コレステロール(脂質異常症)
「健康診断で悪玉コレステロールの数値を指摘された」
「特に具合が悪いわけではないけれど、このまま放置していいのだろうか」
このような不安を抱えていらっしゃいませんか?
コレステロール値の異常は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、「痛くもかゆくもないから」とつい放置してしまいがちです。
しかし、数値が高い状態をそのままにしておくと、気がつかないうちに血管に負担がかかり、将来的な大きな病気につながる可能性があります。
当院では、患者さんのライフスタイルに寄り添いながら、無理なく数値を改善していくためのサポートを行っています。早めにご相談いただくことで、将来の健康リスクを減らし、安心した毎日を送ることができます。
コレステロール自体は、細胞膜やホルモンを作るために私たちの身体にとって不可欠な成分です。しかし、血液中のバランスが崩れると「脂質異常症」と呼ばれる状態になります。
コレステロールには主に2つの種類があります。
数値の異常を引き起こす主な原因としては、以下のような背景が考えられます。
コレステロール値が気になる方は、ご自身の生活習慣を少し振り返ってみましょう。
いくつ当てはまりましたか? 当てはまる項目が多い方ほど、一度詳しい検査を受けることをおすすめします。
ながえ内科クリニックでは、主に血液検査によってコレステロール値を測定し、診断を行います。
これらの数値を総合的に評価します。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が隠れていないかも同時に確認し、患者さん一人ひとりの全身の状態を把握します。
※正確な数値を測るため、食後時間をあけての採血をお願いする場合があります。
コレステロールや中性脂肪の異常が続く状態を「脂質異常症」と呼びます。
自覚症状がないまま血管の壁にコレステロールが蓄積すると、血管が硬く狭くなる「動脈硬化」が静かに進行します。
動脈硬化が進行すると、以下のような命に関わる重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。
早期に治療を開始し、数値をコントロールすることは、これらの恐ろしい病気を未然に防ぐための「予防線」となります。
コレステロールの治療は、ただ数値を下げることだけが目的ではありません。「血管を健康に保ち、将来の病気を防ぐこと」が最大の目標です。
まずは、お薬に頼らないアプローチから始めます。
生活習慣の改善を数ヶ月続けても数値が十分に下がらない場合や、すでに動脈硬化のリスク(糖尿病、高血圧、喫煙歴など)が高いと判断される場合は、お薬による治療を開始します。
治療期間の目安:コレステロールの治療薬は、数値を「正常に保つ」ためのものです。風邪薬のように短期間で飲み終えるものではなく、継続的な服用が必要になることがほとんどです。
リスク・副作用について:お薬の種類によっては、まれに筋肉痛や脱力感(横紋筋融解症)、肝機能の低下といった副作用が現れることがあります。当院では定期的な血液検査を行い、副作用の有無を慎重に確認しながら安全に治療を進めます。
費用について:脂質異常症の検査および治療は、すべて健康保険の適用(保険診療)となります。
コレステロールの数値は、単独で高くなることもありますが、多くの場合は血糖値や尿酸値、肝機能の数値と一緒に動きます。脂質の項目だけを見て判断すると、背景にある状態を見落とすことがあります。
当院では、脂質の検査とあわせて血糖・尿酸・肝機能・腎機能を確認し、全体の中でどの程度対処すべきかを判断しております。また、中性脂肪の高い方や肝機能の数値が気になる方には、腹部エコーで脂肪肝の有無を確認することもできます。脂肪肝は自覚症状がないまま進むことがあり、脂質異常症と深く関わる状態です。
数値をひとつずつ下げることよりも、血管を守るという目的から逆算して、優先順位をつけてご提案してまいります。
コレステロールの異常は、「痛くないから大丈夫」ではありません。逆に言えば、症状がない今のうちに対策を始めれば、健康な日常をこの先も長く守り続けることができるということです。
ながえ内科クリニックでは、医学的な専門知識に基づきながらも、決して一方的に押し付けることはせず、患者さんのペースに合わせた治療プランをご提案いたします。
「健診結果の見方がよくわからない」
「食事の改善といっても、何から始めればいいか迷う」
そんな些細な疑問や不安でも構いません。どうぞお気軽に、当院までご相談ください。私たちと一緒に、健やかな未来づくりをスタートさせましょう。
数値が高いというだけで、すぐにお薬を始めるとは限りません。治療の必要性は、コレステロールの値そのものよりも、他のリスクをどれだけ抱えているかで判断します。
年齢、性別、血圧、血糖値、喫煙の有無、これまでに心臓や脳の病気をされたことがあるか。こうした要素を組み合わせて、将来の危険度を評価したうえで目標値を決めていきます。日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」でも、こうした総合的な評価にもとづく管理が示されています。
まずは現在の状態を確認するところから始めましょう。
LDLコレステロール(悪玉)は、肝臓でつくられたコレステロールを全身へ運ぶ役割を持ちます。多すぎると血管の壁に溜まっていくため、動脈硬化の主な原因となります。
HDLコレステロール(善玉)は、血管の壁に溜まった余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す働きをします。こちらは少なすぎることが問題になります。
中性脂肪(トリグリセライド)は、食事から摂ったエネルギーの貯蔵形態です。高い状態が続くとHDLが減りやすくなり、間接的に動脈硬化を進めます。
最も重視されるのはLDLですが、3つの関係を見ることに意味があります。どの数値をどこまで下げるべきかは、他のリスクによって変わりますのでご相談ください。
原則として、10時間以上の絶食後の採血が基本となります。中性脂肪は食事の影響を強く受けるため、食後では正確に評価できないことがあるためです。
ただし、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版では、食後(随時)に採血した場合の中性脂肪の基準値も設けられました。健診の結果をお持ちいただく場合や、体調によって絶食が難しい場合もありますので、ご都合に合わせてご相談ください。採血の条件は、結果の見方とあわせてご説明いたします。
関係があります。女性ホルモン(エストロゲン)には、LDLコレステロールを下げ、HDLコレステロールを保つ働きがあります。閉経によってこのホルモンが減少すると、生活習慣が変わっていなくてもLDLが上昇し、中性脂肪も上がりやすくなります。
「今までずっと正常だったのに、急に指摘された」という方の多くが、この時期にあたります。ご自身の努力不足ではありませんので、必要以上にご自身を責めないでください。
一方で、この時期から動脈硬化が進みやすくなるのも事実です。閉経前後は、一度ご自身の血管の状態を確認しておく良い機会だと考えております。
コレステロールの多くは食事から摂るものではなく、体内でつくられています。そのため、食生活が良好でも数値が高くなる方がいらっしゃいます。
特に、血縁の方にコレステロールの高い方や、若い年齢で心筋梗塞・狭心症を起こされた方がいる場合には、「家族性高コレステロール血症」という体質的な病気の可能性があります。生活習慣とは関係なく、生まれつきLDLが高くなるもので、通常より早い段階から動脈硬化が進みます。
心当たりのある方は、ご家族の病歴も含めてお話しください。早く見つけて管理を始めることで、経過は大きく変わります。
大いに関係します。アルコールは肝臓で中性脂肪の合成を促すため、飲酒量が多い方は中性脂肪が上がりやすくなります。おつまみの内容も影響します。
このほか、糖質の摂りすぎ、清涼飲料水や果物の摂りすぎ、運動不足も原因となります。中性脂肪はコレステロールと違い、生活習慣を変えると比較的早く反応する項目です。
数値が極端に高い場合には膵炎のリスクもあるため、その際は早めの対応が必要です。まずは現在の値と、飲酒・食事の状況を伺わせてください。
かつては卵を制限するよう指導されていましたが、現在は食事から摂るコレステロールの影響は個人差が大きいと考えられており、一律の制限は行われなくなりました。
それよりも意識していただきたいのは、動物性の脂(肉の脂身、バター、生クリーム、加工肉)を控え、青魚や大豆製品、野菜、海藻、きのこを増やすことです。食物繊維はコレステロールの吸収を抑える働きがあります。
とはいえ、極端に食べないという方法は続きません。何を減らすかより、何を足すかで考えていただくほうが、結果として長く続きます。
スタチンという種類のお薬で、まれに筋肉の痛みやだるさが出ることがあります。ごく稀に横紋筋融解症という重い副作用に至ることもあるため、注意が必要な症状ではあります。
当院では、お薬を始めた後に定期的な血液検査を行い、肝機能や筋肉に関わる数値を確認しながら進めております。筋肉痛や脱力感、体のだるさが出た場合は、我慢せずにお知らせください。お薬の種類を変えることで続けられる場合がほとんどです。
数値が下がったのは、お薬が効いている状態です。中止すれば、多くの場合は元の値に戻ります。
ただし、減量や食事の改善によって体質そのものが変わってきた方では、減量や中止を検討できることもあります。判断するには、他のリスクや血管の状態を含めて評価する必要があります。
自己判断での中止は避けていただき、検査結果を見ながら一緒に相談させてください。
意味があります。すでに進んでしまった動脈硬化を元に戻すことは難しいものの、これ以上進めないようにすることは、いつからでも可能です。
まずは現在どこまで進んでいるかを確認するところから始めましょう。数値だけでなく、血管や肝臓の状態も含めて把握したうえで、今後どうしていくかをご提案いたします。長く放置していたことをためらわれる必要はありません。
最終監修日:2026年9月4日

ながえ内科クリニック
院長 永江 航
得意な診療・専門領域
所属学会
監修者紹介
2009年に佐賀大学医学部を卒業し、佐賀県医療センター好生館で初期研修を修了。佐賀大学医学部附属病院の総合診療部、肝臓・糖代謝内分泌科(糖尿病科)、リハビリテーション科、富士大和温泉病院の総合内科、訪問診療の専門クリニックなどを経て、2016年よりながえ内科クリニックで診療にあたっています。
診療で大切にしていること
診療科を限定せずに患者様を診る経験を積んだうえで、糖尿病をはじめとする生活習慣病の管理と、通院が難しくなった方への在宅医療の双方に携わってきました。「十分な問診を行い、必要に応じて適切な検査を行うことで、しっかりと原因疾患を突き止め、患者様の困っている症状を改善できる医者であること」を診療の姿勢としています。
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