高血圧
高血圧
「健康診断で高血圧を指摘されたけれど、とくに体調も悪くないし……」
「一度薬を飲み始めたら、一生やめられないのではないか?」
そのように戸惑い、受診をためらってしまう方は決して珍しくありません。高血圧は初期の自覚症状に乏しいため、つい放置してしまいがちな疾患です。しかし、血圧が高い状態が続くと、ご自身が気づかないうちに血管へ大きな負担がかかり続けています。
当院では、患者さんのライフスタイルやご不安に寄り添いながら、無理のない範囲で血圧をコントロールしていくサポートを行っています。早期に適切な管理を始めることで、将来の大きな病気を未然に防ぎ、これまで通りの活動的で安心な日常を守ることができます。「少し血圧が高いだけ」と自己判断せず、まずは一度ご相談ください。
高血圧には、大きく分けて「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2種類があります。
塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、過度な飲酒、喫煙、ストレス、加齢、遺伝的要因などが複雑に絡み合って発症します。生活習慣と深く結びついているため、日常の見直しが非常に重要です。
腎臓の病気やホルモンの異常、特定の薬剤の副作用など、原因となる別の疾患が隠れている高血圧です。原因疾患を治療することで、血圧の改善が見込めます。
高血圧は「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」とも呼ばれ、ほとんど無症状で進行します。しかし、血圧がかなり高くなると、以下のようなサインが現れることがあります。
これらの症状に心当たりがある方は、すでに血管に負担がかかっている可能性があります。気になる症状があれば、お早めにご来院ください。
患者さんお一人おひとりの状態を正確に把握するため、当院では充実した検査体制を整えております。
クリニックでの測定に加え、ご家庭での血圧(家庭血圧)の記録も参考にしながら、普段の血圧の変動を診断します。
腎臓の機能や、糖尿病・脂質異常症など他の生活習慣病が併発していないかを確認します。
心臓への負担(心肥大など)が生じていないかを調べます。
当院では、頸動脈エコーや血管年齢検査を用いて、動脈硬化の進行具合を直接確認することが可能です。これにより、目に見えない血管のリスクを客観的に評価します。
高い圧力にさらされ続けた血管は、次第に厚く、硬くなっていきます(動脈硬化)。これを放置すると、ある日突然、命に関わる疾患を引き起こすリスクが高まります。
【受診によるベネフィット】
過度に恐れる必要はありません。大切なのは、ご自身の現在の状態を正しく知り、適切にコントロールすることです。血圧を正常範囲に保つことでこれらの発症リスクは大幅に低下し、ご家族との時間や趣味、お仕事をこれからも長く安心して楽しむことができます。
高血圧の治療は、いきなり強いお薬を処方するのではなく、まずは生活習慣の改善からスタートすることが基本です。
生活習慣の改善だけで血圧が下がらない場合や、すでに血圧が著しく高い場合は、お薬による治療を開始します。患者さんの年齢や合併症の有無に合わせて、最適なお薬を選択します。
【治療に関する重要なご案内(リスクと副作用等について)】
副作用について:降圧薬の種類によっては、飲み始めにふらつき、めまい、だるさ、咳、むくみなどの副作用が出ることがあります。異常を感じた際はすぐにお薬を調整いたしますので、自己判断で中止せず医師にご相談ください。
治療期間・通院について:高血圧の治療は、一時的に数値を下げることではなく「良好な状態を長期的に維持すること」が目的です。そのため、数ヶ月〜数年単位での継続的な服薬と定期的な通院(月に1回程度)が必要になるケースが一般的です。
費用について:高血圧の検査および治療(生活習慣病管理料、お薬代など)は、原則として健康保険が適用(保険診療)されます。
高血圧で本当に見なければならないのは、血圧そのものではなく、その圧力にさらされ続けた血管と心臓の状態です。
当院では、頸動脈エコーで首の血管の壁の厚みやプラークの有無を確認し、血管年齢検査(ABI・CAVI)で動脈の硬さと詰まりの程度を測定します。心臓については、心電図に加えて心エコーで大きさや動きを確認し、24時間心電図で日常生活のなかでの脈の乱れを調べることもできます。
同じ数値であっても、血管や心臓の状態は人によって異なります。どこまで急いで下げる必要があるのかを、目に見える形で確認したうえでご説明できること。これが当院の高血圧診療の特徴です。
理事長は久留米大学医学部循環器内科に在籍し、心臓と血管の診療に携わってまいりました。沖縄県立中部病院での救急研修を経た経歴もあり、血圧の背後にある心臓の状態まで含めて診ることを続けております。
高血圧は、内科で扱う病気のなかでも患者数の多い疾患です。だからこそ「よくあることだから」で片づけず、お一人おひとりの血管の状態に応じた管理を行ってまいります。
「高血圧と診断されたら、もう健康な生活には戻れない」と悲観する必要はありません。適切な治療と日々の少しの心がけで、血圧は十分にコントロールできます。
「お薬に対する不安がある」「生活習慣をどう変えればいいか分からない」といった疑問や不安があれば、どんな小さなことでも遠慮なくお話しください。当院は、患者さんが納得して治療に向き合えるよう、丁寧に分かりやすくご説明いたします。
ご自身の体を守ることは、大切なご家族の安心を守ることでもあります。健康診断の結果が気になった方、ご自宅での血圧が高めでお悩みの方は、ぜひ一度ながえ内科クリニックへご相談ください。
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど、症状が出ないまま進む病気です。症状がないことは、体に負担がかかっていないという意味ではありません。
血圧が高い状態が続くと、血管の壁は少しずつ厚く硬くなっていきます。この変化は自覚できませんが、検査では確認することができます。当院では頸動脈エコーや血管年齢検査(ABI・CAVI)で、現在どの程度の変化が起きているかを調べられます。数値だけを見て不安になるのではなく、ご自身の血管の状態を知ることから始めていただければと思います。
どちらも本当の血圧です。医療機関では緊張から高くなる方が多く、これを「白衣高血圧」と呼びます。逆に、診察室では正常なのに家庭では高い「仮面高血圧」もあり、こちらは見逃されやすいため注意が必要です。
治療方針を決めるうえでは、家庭で測った血圧のほうが重視されます。日常生活のなかでの本来の状態を反映しているためです。ご家庭で測定された記録をお持ちいただけると、より正確な判断ができます。
朝と晩の1日2回を目安にしてください。朝は起床後1時間以内、トイレを済ませ、朝食と服薬の前に。晩は就寝前が適しています。
測るときは、椅子に座って1〜2分ほど安静にしてから、腕帯を心臓と同じ高さに合わせます。会話をしながら、あるいは足を組んだ状態では正しく測れません。
数値は毎回変動するものですので、1回の高い値に一喜一憂する必要はありません。数日から数週間の平均を見ることが大切です。記録を続けていただくと、季節による変化やお薬の効き具合も見えてきます。
日本高血圧学会の「高血圧管理・治療ガイドライン2025」(2025年8月発表)では、降圧目標は年齢や合併症の有無によらず、診察室での血圧が130/80mmHg未満、家庭での血圧が125/75mmHg未満とされています。
以前は年齢によって目標が分かれていましたが、現在は原則として同一の目標値に統一されました。ただし、やみくもに下げればよいというものではなく、ふらつきなどの副作用に注意しながら、お一人おひとりの状態に合わせて進めていきます。
必ずしもそうではありません。減量や減塩、運動習慣の改善によって血圧が安定し、お薬を減らせる方、中止できる方もいらっしゃいます。
一方で、体質や年齢による影響が大きい場合には、継続して飲んでいただくほうが安全なこともあります。降圧薬は血圧を「下げる」薬ではなく「良い状態に保つ」薬ですので、やめれば元に戻るのは自然なことです。
大切なのは、飲み続けるかどうかではなく、血管を守れている状態を保てているかどうかです。定期的に確認しながら、必要な量を見極めてまいります。
降圧薬にはいくつかの種類があり、それぞれ出やすい副作用が異なります。ふらつきやめまい、だるさ、空咳、足のむくみなどが現れることがあります。
種類を変えたり量を調整したりすることで改善できることがほとんどですので、自己判断で中止せずご相談ください。当院は「時間外対応加算」の届出を行っており、診療時間外であっても、継続的に受診されている患者様やそのご家族からのお電話にお応えする体制を整えております。
調べられます。当院では以下の検査を院内で実施しております。
頸動脈エコーでは、首の血管を超音波で観察し、壁の厚みやプラーク(こぶ状の隆起)の有無を確認します。血管年齢検査(ABI・CAVI)では、手足の血圧を同時に測ることで、動脈の硬さと、足の動脈が詰まっていないかを調べます。
いずれも痛みを伴わず、短時間で終わる検査です。数値の高さだけでは分からない「実際にどこまで進んでいるか」を確認できるため、治療をどの程度急ぐべきかの判断材料になります。
血圧の高い状態が続くと、心臓は強い力で血液を送り出す必要があるため、筋肉が厚くなったり(心肥大)、動きが悪くなったりすることがあります。
当院では心電図と胸部レントゲンに加え、心エコーで心臓の大きさや動きを直接確認できます。動悸が時々しか起きない場合には、24時間心電図で日常生活のなかでの脈の状態を記録することも可能です。
検査の結果、専門的な治療が必要と判断した場合には、速やかに医療機関をご紹介いたします。
いきなり食事全体を変えようとすると続きません。まずは「かけるものを減らす」ところから始めていただくのが現実的です。
醤油やソースは、かけずに小皿に取って付ける。麺類の汁は残す。加工食品(ハム、練り物、漬物、インスタント食品)の頻度を見直す。この3つだけでも、摂取量はかなり変わります。
外食や中食が多い方は、完全な減塩を目指すより、続けられる範囲を一緒に決めていくほうが結果につながります。ご自身の食生活を伺ったうえで、無理のない方法をご提案いたします。
高血圧の多くは生活習慣や体質が関わる「本態性高血圧」ですが、若い方の場合は、別の病気が原因となっている「二次性高血圧」の割合が高くなります。
腎臓の病気、ホルモンを分泌する臓器の異常、睡眠時無呼吸症候群、服用中のお薬の影響などが背景にあることがあります。これらは原因となっている病気を治療することで、血圧が改善する可能性があります。
若年での高血圧、急に血圧が上がった、複数のお薬を使っても下がらないといった場合には、血液検査や尿検査で原因を調べ、必要に応じて専門の医療機関で精査していただきます。
最終監修日:2026年9月4日

ながえ内科クリニック
院長 永江 航
得意な診療・専門領域
所属学会
監修者紹介
2009年に佐賀大学医学部を卒業し、佐賀県医療センター好生館で初期研修を修了。佐賀大学医学部附属病院の総合診療部、肝臓・糖代謝内分泌科(糖尿病科)、リハビリテーション科、富士大和温泉病院の総合内科、訪問診療の専門クリニックなどを経て、2016年よりながえ内科クリニックで診療にあたっています。
診療で大切にしていること
診療科を限定せずに患者様を診る経験を積んだうえで、糖尿病をはじめとする生活習慣病の管理と、通院が難しくなった方への在宅医療の双方に携わってきました。「十分な問診を行い、必要に応じて適切な検査を行うことで、しっかりと原因疾患を突き止め、患者様の困っている症状を改善できる医者であること」を診療の姿勢としています。
TOP